国産食肉在庫が5年で最多　やっぱり和牛券配るべきだったんだよ

　国産の牛、豚、鶏肉の在庫が過去5年の最多水準に積み上がっている。
新型コロナウイルス禍による飲食店向けの需要低迷が長期化していることに加え、好調だったスーパーでの販売も春以降鈍化。
大消費地を含む9都道府県での緊急事態宣言が20日で解除されるものの、在庫が多く、荷動きの回復は限定的となりそうだ。

　農畜産業振興機構の推定によると、直近の4月末の国産食肉の在庫量は牛肉が前年同期比11％増の1万2798トン、
豚肉が同11％増の2万5593トン、鶏肉が同16％増の3万1656トンで、いずれも過去5年の最多水準となっている。

　豚、鶏肉は内食需要を追い風にスーパーでの販売が好調で、在庫も3月末までは前年を下回って推移していた。
しかし、4月以降は販売が鈍り、在庫が積み上がっている。

　全国の食品スーパー270社を対象としたスーパーマーケット販売統計調査によると、4月の畜産部門の既存店ベース売上高は前年比11％減の1125億円。
前年の巣ごもり特需の反動が大きいが、「国産相場の上昇を受け、輸入品の販売を強める動きがあった」（スーパー関係者）。

　国産は在庫が高水準となっている一方、輸入品在庫は前年を2割弱下回る。特に牛肉はオーストラリア産、米国産を中心に不足感が出ており、価格も上昇。
在庫が下押し要因となり、相場が軟調気味の国産とは対照的だ。

　宣言解除後の荷動き回復に期待がかかるが、「飲食店の営業時間や酒類の提供などの制限緩和は限定的で、大幅な回復は見込みにくい」（都内の食肉卸）との声が漏れる。
スーパーでは低価格品の取り扱いを強化する動きが出ており、販売回復は切り落としや低価格部位の販促などが鍵となりそうだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1b3f8819106a3772b28efbacee651f39e1b7d557