24時間テレビ、感動した？泣いた？思わず募金したくなった？

怒る両親に腹が立って言い返した。
ただ走る事の意味が分からない。感動しない。この番組で心は動かない。と。

そしたら母がアンタには分からないの？なんでこの人が走ってるのか。
勇気を与えたいんだよ、励ましたいんだよ。
観てる人は勇気貰えるの、励まして貰えるんだよ、自分も頑張ろうってなるの！
と、全てが薄っぺらい弱小企業の企画キャッチコピーみたいな事を言われた。
勿論、その言葉も響かなかった。

何故なら両親が妄信的に熱中しているその番組は、子供の私にはハンディキャップある人々を食い物にしてる様に見えていたから。
番組で取り沙汰された人は、お金や企画によりフォロー、バックアップされるだろうけどそんなのはテレビの中だけ。
世の中、救われない人々は沢山居る。不幸な境遇を持つ人々は24時間テレビを、嫉妬や不満を募らせながら観ているのでは。そう思ったんだ。

何故、自分はこの人の様に助けて貰えないのか。羨ましいな。妬ましいな。何も事情を知らずに手を取って微笑む芸能人や泣けば感動を与えられると思ってる司会者。
そう思って観てる人も沢山いる。そう感じた。

そもそも24時間テレビにおける目玉企画のマラソンもフォレスト・ガンプに影響された誰かが企画したのでは。と思っている。
原作が、マラソン企画の2年前には存在して居たので。それを考えたら私は子供の頃から、表面ではなく内面が気になって仕方ない面倒な子供だったんだなと思った。

走ってる姿で、勇気は貰えぬよ。映画じゃあるまいし。走る理由を聞いて、自分も頑張ろう。とはならぬよ。映画じゃあるまいし。勇気は、貰うものではなく、己が内に湧き出すもの。
錯覚しがちだけど。励ましというのは、同じ様な境遇に立たされた事のある人や今まさにそうだという人が自分は、こんな風に戦った事がある。
とか、こんな立ち向かい方を試している。とか諦めないから、君もあなたも負けないでねって。肩を叩かれ背を押される事こそが。じゃないのかな。
所詮他人事の薄っぺらい『がんばれ』とは違う。だから、24時間テレビに私は価値を感じなかった。大人になった今もこんなのいつまで続けるんだろう。