なんで日本は未だに酒のテレビCMを規制出来ないの？煙草のCMは消えたのに

《テレビのアルコールＣＭの規制強化に関する要望書》主文
　
（前略）

日本では、近年、女性の飲酒率が急増して２０・３０代では8割を超えており、中高生の飲酒行動に関する調査でも中学1年では女子が男子を上回るなど、女性の飲酒問題の広がりが指摘されています。

アルコールの害を受けやすい女性の特性から、厚生労働省「健康日本21」でも、「女性は男性よりも少ない量が適当である」とされています。（中略）

また、ほぼすべてのCMが飲酒シーンや効果音による「直接的に飲酒をそそる手法」を用いており、昼間の飲酒が全体の6割で、「一人酒」のシーンも6割にのぼることが判明。アルコール依存症につながりやすい「昼間の一人酒」を、リスクが高い女性にこぞって推奨している形になっています。

未成年にも見えるような20代前半の童顔のタレントの起用、子どもっぽいしぐさ、子どもの遊びやメルヘンの世界、若者に人気の音楽やタレント、イッキ助長につながるような表現、ヨットや岩場など危険な場所での飲酒もありました。

このようなCMが、日本では平日の18：00以降、週末・休日には12：00以降ずっと、大量に流されているのです。
私たちは、酒類メーカーがとるべき予防対策の筆頭はCMの自主規制であり、それを行なわずに他のどんな活動をしても、社会的責任を果たしているとは言えないと考えます。

（以下略）

【要望書】《テレビのアルコールＣＭの規制強化に関する要望書》（業界団体宛）
https://shufuren.net/requests/requests110/

酒類CMの問題点その1

ほぼすべてに、直接的に飲酒をそそる手法
　
ほぼすべてが飲酒シーンや効果音を用い、視覚と聴覚に訴えて味・冷たさ・喉ごしの触感を連想させる「直接的に飲酒をそそる手法」を用いている。
どちらも使っていないのは１銘柄のみだった。
（大手酒類メーカー9社64銘柄のCM146本を対象とした調査）
　
https://www.ask.or.jp/downloads/pdf/2009/CM200907.pdf

酒類CMの問題点その3

一人酒が過半数　
　
同じくアルコール依存症に繋がりやすい一人酒のシーンが 38 と全銘柄の 6 割にのぼる。
しかも大半 (28)が昼間。飲酒者は、男性 23、女性22（男性／女性バージョンがある銘柄も）とここでも性差はほとんどなく、アルコール依存症につながりやすい「昼間の一人酒」を、リスクが高い女性にも堂々と推奨する形になってしまっている。
変形パターンとして、それぞれは一人酒だが電話やネットを通じて仲間とつながるものもあった。

＜日本の酒類CMに特徴的なメッセージ性＞ 　
酒類メーカーは 20 代～40 代の女性たちに、「男性と対等に飲みなさい」というメッセージを強く発している。（※1）　
飲めば１人でも楽しめる。昼も夜も、野外でも屋内でも。　
自由気まま、のびのび、みずみずしく、元気で、かっこいい。
ダイエットしていても大丈夫。
飲めば男友達とも対等につきあえ、女友達とも会話がはずむ。
グループで盛り上がれる。夫とも、親とも、息子や娘とも、いい関係がつくれる。
しかしCM は、その反対側の事実をまったく伝えていない。

＜女性とアルコールに関する事実＞
・女性は、男性の半分の量・期間で、アルコール依存症や肝臓病になる危険性がある
・乳がんの発症リスクは、飲酒量に比例する
・大量の飲酒は女性ホルモンの分泌を低下させ、生殖障害をまねく危険性がある
・妊娠中の飲酒は、胎児の障害をまねく危険性がある
・授乳期の飲酒は、乳児にアルコールを飲ませるのと同じことになる
・厚労省の「健康日本 21」でも、「女性は男性よりも少ない量が適当である」とされている

＜日本の女性の飲酒状況＞
・女性の飲酒率は、急上昇している 　
・20 代の女性の飲酒率は 8 割に達し、飲酒量も同年代の男性とあまり変わらない 　
・中学１年では、男子より女子のほうが、飲酒率が高い 　
・急性アルコール中毒で搬送される若い女性の比率がじわじわ増えている
・女性のアルコール依存症が増えている

流石に長い

↑の※1についてのパターン別詳細と実例

①「男性／女性」パターン

同じ銘柄で、男性バージョンと女性バージョンの両方があるもの。
これらは、場面が同じ、あるいは似た設定のため、男女の対等性が際立って見える。

例） 一番搾り（ｷﾘﾝ）のイチローと松嶋菜々子／ザ・プレミアム・モルツ（ｻﾝﾄﾘｰ）の矢沢永吉と竹内結子／クリアアサヒの浜田雅功と浅尾美和／アサヒオフの堤真一と山口智子／ヱビスビールとザ・ホップ（ｻｯﾎﾟﾛ）の浅野忠信と小泉今日子

②「オヤジかわいい女子」パターン
　
手酌、あぐら、勢いよく缶を掴み出す、飲み終わってプハーッ……キュートな女性、美しい女性にあえてオヤジ的なしぐさをさせることでギャップを演出。
同時に自らの意志で飲む、飲みなれたかっこよさも出している。

例） ヱビスビール（ｻｯﾎﾟﾛ）の小泉今日子はあぐらでグラスを飲み干し、「じゃ、もう 1 本」と立ち上がる。
一番搾り（ｷﾘﾝ）の松嶋菜々子も、ザ・プレミアム・モルツ（ｻﾝﾄﾘｰ）の竹内結子も、金麦（ｻﾝﾄﾘｰ）の檀れいも、うれしそうに手酌で飲む。
豊か（ｻﾝﾄﾘｰ）の菅野美穂は、手酌で飲んだあと、豪快にプハーッ。
のどごし生（ｷﾘﾝ）の香椎由宇も中年の山口智充と並び手酌。
飲んだあと同じように口に泡ひげをつけたバージョンも。
角瓶(ｻﾝﾄﾘｰ)の小雪も男性客の前で、「のど、渇いてます」と自らハイボールを飲む。
氷結シリーズ（ｷﾘﾝ）の深田恭子は、海辺の炎天下、氷水の中から缶を勢いよく掴み出す。

お酒の力
お酒にできることを
お酒の可能性を求めて
とかCMでいろいろ言ってるよな

アルコール性肝疾患の患者数は37千人
その内アルコール性肝硬変の患者数は14千人
（平成29年、厚生労働省"アルコール健康障害に係る参考資料"より）

アサヒぃーすぷーどらあーい

アルコール依存症の受診患者数は95,579人
その内入院患者数は25,606人
（平成28年度、厚生労働省"アルコール健康障害に係る参考資料"より）

⚠なお、アルコール依存症の外来患者数は実際の患者数の5%ほどに過ぎないと言われている。⚠

金になるからやな

↓以下↓

🌏テレビのアルコールCMに関する世界主要先進国の規制
　
🇫🇷フランス

法規制： 1.2％以上のアルコール飲料をテレビ・映画で広告することを禁止。
スポーツや文化的イベントのスポンサーになることも禁止。
同時に、「未成年を広告のターゲットにすることを禁じる法律」が、アルコールの「ライフスタイル」広告を禁止。
ブランド名・成分・来歴・ドリンクの作り方や提供のしかたなど、商品の性格に関してのみ許可。

🇸🇪スウェーデン

法規制： 蒸留酒・ワイン・2.25％以上のビールのテレビＣＭ禁止。

🇧🇪ベルギー

法規制： 蒸留酒のテレビＣＭ禁止。

自主規制： 過剰飲酒の奨励や 21 歳以下をターゲットとしてはいけないなど。

🇦🇹オーストリア

法規制： 蒸留酒のテレビ・ラジオでのＣＭを禁止。
子ども、運転、スポーツ、アルコール乱用の助長と関連するようなＣＭは禁止。
テレビ・ラジオ番組のスポンサーとなることも禁止。

自主規制： 乱用の奨励、青少年をターゲットにすること、成功と結びつけること、興奮やアルコールの治療的効果をほのめかすこと、飲酒場面や酔っている状態を描くことは禁止、など。（広告審議会）

そんなに一気に書き込まれても読むのめんどいわ酔っ払ってるから

🇵🇹ポルトガル

法規制： 19 時から 22 時 30 分までテレビＣＭ禁止。ＥＵ共通テレビ自主規制に従う。
ビールと蒸留酒のＣＭは、映画・ビル看板・教育機関・未成年向け雑誌、スポーツや文化イベントにおいて禁止。
※酒類メーカーは自主規制も。

🇨🇦カナダ

法規制： 「酒類免許法」により、未成年者にアピールしない、などの規制あり。（ラベルも広告の１つと考える）

🇩🇪ドイツ

自主規制： 蒸留酒はテレビＣＭしない。
ＥＵ共通テレビ自主規制に従う。

🇩🇰デンマーク

自主規制： 未成年者を対象にすること、健康によいとか、メンタルあるいは身体的な能力が上がるなど示唆すること、スポーツとからめること、スポーツや競技場のスポンサーになってはいけない。

🇬🇷ギリシャ　
　
自主規制： 各テレビ・ラジオ局が 1 日に放映できるＣＭの総量を規制。　
ＥＵ共通テレビ自主規制を遵守。

治療中のアル中はCM見ては衝動抑えとるんやろうな